NPOあつぎみらい21の「かながわ Business Network」 2023年8月号 Vol.152

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  NPOあつぎみらい21の「かながわBusiness Network」 
                2023年8月号 Vol.152
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こんにちは、NPOあつぎみらい21「かながわ Business Network」
編集部です。 
毎月1回、メールマガジンを通じて皆さまの経営に役立つ情報をお届けして
参りますので、どうぞ宜しくお付き合いください。

いや〜、暑いですね。が挨拶がわりに飛び交う日々が続きます。どうしまし
ょう? どうしようもないですね。でもなんとかしなきゃ死んじゃいますよ
ね。

それでは、死んじゃう前に今号の内容です。
1.<経営講座> ■ 【後継者不在の場合の事業承継について】
2.<活動報告> ■ 【オンラインセミナー1年を振り返る】
3.<活動告知> ■ 【9月度オンラインセミナーのご案内】
4.<経営情報> ■ 【各種セミナー情報】


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1.<経営講座> ■ 【後継者不在の場合の事業承継について】
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▼はじめに

中小企業の事業承継について、8月3日の日経新聞「70歳超の経営者 25年
に245万人」として、後継者未定問題と第三者承継(M&Aなど)の現状が取
りあげられています。
後継者未定数:中小企業庁によると、2025年の70歳以上の中小企業経営者
数は245万人でそのうち後継者未定経営者数は127万人(51.8%)と予想さ
れ、650万人の雇用と22兆円のGDP喪失が予想されている(2016年度調査
より)。実際には2023年版中小企業白書より、ここ数年不在率の減少は見
られるものの2022年実績は後継者不在率として、57.2%となっており2025
年予測の不在率よりも依然として高い水準となっている。官民をあげて、こ
こ数年多くの対策を行なっており、一定の成果を上げているが、依然として
以下のような課題が指摘されている。

1.高齢化と事業承継の課題:日本の中小企業の多くは、創業者世代が高齢
  化しており、事業承継の必要性が年を追うごとに高まっている。しか
  し、後継者不足や事業承継に関する知識の不足などにより、適切な後継
  者を見つけることやスムーズな承継を行うことが難しい場合がある。
2.従業員への承継:中小企業では創業者の家族や従業員が事業を受け継ぐ
  ケースが多いのが現状。従業員への承継では、経営スキルやリーダーシ
  ップの育成が必要であり、親族承継に比べて継承の準備が不十分な場合
  がある。
3.M&Aによる承継:一部の中小企業は、M&Aによって、事業を承継するケ
  ースも最近増加してきた。買う側としての企業が売り手の中小企業を買
  収し、事業を承継することで、技術や市場の拡大を図る。
4.政府の支援策:中小企業の事業承継を支援するため、相続税の軽減や後
  継者教育支援などの政策を展開している。しかし、実際には支援策の情
  報が浸透していないケースもあり、制度を活用する意識の向上が必要で
  ある。
5.専門家に関して:中小企業の事業承継には法的、税務的な手続きや経営
  的アドバイスが必要な場合がある。最近、事業承継の専門家やコンサル
  タントの需要が増加している。


こういった状況の中、後継者未定という課題に対して以下の措置が考えられ
る。

 ・従業員の育成と登用:早い時期に、従業員の中から的確な後継者を見つ
  け、経営スキルや、リーダーシップを育成して事業を承継させる方法。
  従業員教育として、経営トレーニングやリーダーシッププログラムへ参
  加させ、将来の経営者を育てる。
 ・外部から後継者を招聘する:適格な経営者や候補を見つけ、事業を承継
  するため現経営者がその交渉や調整を行うことなど。
 ・M&A:後継者不在の場合、他社への事業譲渡による事業統合により、新
  たな経営者に事業を託すること。
 ・事業の再構築や再編:後継者未定の場合、事業の再構築や事業の方向性
  を見直すことも重要である。事業の特化や多角化の見直しを行い、事業
  の存続を図る。
 ・専門家の利用:専門家は、事業の評価や後継者の選定、事業承継計画の
  策定支援に利用する。
 ・補助金の活用:事業の再構築を目指し円滑な事業承継を行うための補助
  事業として、事業再構築補助金、事業承継補助金等の活用がある。

▼実際の対応策

後継者未定の場合は、事業承継計画の作成を通じて、まず事業承継に関して
何をしなければならないかを把握する必要がある。後継者不在の場合は、基
本的にM&A、もしくは廃業の選択になるが、以下では施策としてM&Aにつ
いて記す。

M&Aは①公的機関の窓口を利用する、主に各都道府県に設置されている“事
業承継・引き継ぎ支援センター”(東京都のみ2か所)等の公的機関の活
用、②事業承継専門企業に依頼する、近年増加している、③ネットのマッチ
ングサイトを利用する、などが挙げられる。以下にぞれぞれの内容を記載す
る。

事業承継・引き継ぎ支援センター:2011年の相談件数250件から、2021年
には,13,005件へと50倍近く伸びている、また、同年の制約件数も1,514
件となっており、全体の成約件数の35%を占めるまでに拡大している。

① M&A専門会社の利用:中小企業の中でも比較的規模の大きめの会社で、
  売買相手の企業の精査、また自社の価値を上手に訴求するなど専門家
  のノウハウを活用したい企業が対象となる。但し、M&Aについての着手
  金、成約した場合の成功報酬が数十万円から数百万単位の高額になる。
② マッチングサイトの利用:最近急速に利用が進んでいる、インターネッ
  トのマッチングサイトの利用である。売り手は、基本的に無料で自社
  の概要をネット上に登録し興味を示した企業と直接交渉をすることにな
  る。買い手側に、一定の成功報酬が生じる場合があるが、それほど高額
  なものではない。
③ その他公的機関の利用:M&A専門企業、マッチングサイトへ繋げていく
  ための窓口として利用する。

ここ数年事業承継支援に携わらせていただいたが、事業承継を円滑に行うに
はできるだけ早い時期に事業の方向性を決めることが重要だと実感してい
る。後継者に事業を引き継ぐのであれば、後継者候補の選定とその教育、役
員への登用、株式の譲渡時期とその割合などを具体的に決めて事業承継計画
に反映することである。M&Aと言っても、マッチング方法が多様化したと
はいえ、一般的にすぐに譲渡先が見つかるわけではない。見つかったとして
も企業文化が違う譲渡先に自社の従業員の雇用の継続ができるのか、思った
金額で譲渡できるのかの問題もある。


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 Writer:中尾 孝則 (中小企業診断士/認定経営革新等支援機関)
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2.<活動報告> ■ オンラインセミナー1年を振り返る
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NPOあつぎみらい21(以下「NPO」)には色々な専門性を持ち、また経験を
積んだ多彩な士が集まっています。せっかく身近にいるのだから話を聞いて
みたいと思うのですが、なかなか機会がありません。そこで新型コロナ感染
症の流行以来社会に定着したオンラインセミナー形式で話をお聞きする場を
設けたらよいのではないかと思ったのがきっかけです。
これと別に私が運営する一社チリア・キューブ(以下「一社」)では、私の元
勤務先関係者対象に約3年前からオンラインセミナーを開催しておりまし
た。しかるにそろそろ講師と演題がネタ切れになってきたところでした。

そこで思い付いたのが、両方のオンラインセミナーを相互に告知しあえば、
それぞれの講師は半分、参加者は2倍になるのではというアイデアです。特
に問題もなく良いことづくめに思えたので関係者の了解をもらい、実行する
ことにしました。

1年少し経ちましたが、これまでの振り返りをしてみると以下の様です。
(日付、演題、講師、NPOルートの参加人数、一社ルートの参加人数)

NPO主催
2022年
7月13日(水)、まずとりかかるべきWebマーケティング!Webキーワード戦
略の基礎と実践、溝呂木 聰、NPO 10名

9月23日(金、祭日) 日本の労働生産性と雇用システムの国際比較、
東 新、NPO 6名

11月23日(水祭) パワハラの防止義務について、藤田 雅一、読書メモ「G
E帝国盛衰記」、鈴木 健一、NPO 4名

12月25日(日) シンポジウム 事業再構築補助金を考える、溝呂木 聰、
安藤 一彦、鈴木 健一、NPO 6名

2023年
1月25日(水) パワハラの防止義務について、藤田 雅一、NPO 4名、一社1名

2月22日(水) コロナ、原発、ヘリスキー?、安全・安心でしょうか、
橋向 博昭、NPO 5名、一社3名

4月26日(水) NPOあつぎみらい21の歩み 
鈴木 健一、小泉 誠二、上地 道男、NPO 10名

7月26日(水) SNSのトレンドとポイント、溝呂木 聰、NPO 4名

一社主催
2022年
10月22日(土) ここまで進んだAI技術(2022版)~AIが今できること・で
きないこと~、糸川 修、NPO 6名、一社6名

2023年
3月19日(日) 事務系のための‘プロジェクトマネジメント’の勘所、
井上千鶴子、NPO 4名、一社2名

5月31日(水) プラズマが持つ可能性、丸山 陽三、NPO 3名、一社7名

その他
2022年
8月11日(木・祝日)キヤノン財団主催第1回講演会「微生物は縁の下の力持
ち ~サステナブルな未来をつくる微生物の不思議を考える~」、NPO 1名

2023年
6月25日(日)キヤノン財団第2回講演会こんなことができるんだ!物質の力
で切りひらく未来、NPO 1名

演題によって片方のルートだけの回もありましたが、概ね両方のルートから
の参加者があり、当初の目論みは上手く言ったと思います。しばらくはこの
路線で続けて見ようと思っておりますので講師や演題の提案、リクエストあ
りましたら積極的にお声かけ下さい。

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 Writer:鈴木 健一(中小企業診断士)
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3. <イベント告知> ■ 【9月度オンラインセミナーのご案内】
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9月度のオンラインセミナーを、以下の要領で開催します。皆様の参加をお待
ちしています。

日時 9月16日(土) 10時から1時間半程度
主催 一社チリア・キューブ
会場 Zoomによるオンライン
参加費 無料
講師 糸川 修 先生
演題 君たちは生成AIとどう生きるか ~使っていますか? ChatGPT~
[講師略歴]
製造業の研究開発部門で20年ほど、主に画像処理アルゴリズムの開発に従事
し、その後、品質部門で、統計を使った画像の主観評価や、AI技術の関連部
門への活用などを行ってきました。今年4月で定年となり、その後は週3日再
雇用で働いています。残り2日は副業として大学の非常勤講師をやってま
す。下期は講義がないので、別な働き先を探し中です(^^)

[セミナー概要]
ChatGPTをはじめとする生成AIが世の中を変えようとしています。既に使う
か使わないかの議論ではなく、どう使うかが話題の中心となっています。生
成AIでいったいどんなことができるのか、一緒に手を動かしながら、考えて
いきましょう。
上手な活用方法を見つけられると、きっとあなたの生き方が変わってくるは
ず(!?)

◎申し込み方法:下記アドレス宛メールでお申し込みください。数日前までに
URLをお知らせします。

suzuki27320@tbb.t-com.ne.jp

なお、この案内は直接のお知り合いに限り紹介可能としますので機会があり
ましたらお願いします。お知り合いの方から再度の紹介や一般公開されてい
るメディアへの掲載はご遠慮ください。

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 Writer:鈴木 健一(中小企業診断士)
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4.<経営情報> ■ 【各種セミナー情報】
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▼ その他のセミナー・講演情報

厚木商工会議所 セミナー/イベントのお知らせ
 http://www.atsugicci.or.jp/category/seminar/

相模原市産業振興財団 セミナー/イベントのお知らせ
 http://www.ssz.or.jp/event

川崎市産業振興財団 セミナー/イベントのお知らせ
 http://www.kawasaki-net.ne.jp/seminar.html

横浜商工会議所 セミナー・講習会のご案内 
 http://www.yokohama-cci.or.jp/event/

川崎商工会議所 セミナー・講演会スケジュール
 http://www.kawasaki-cci.or.jp/event/index.html

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■ 編集後記
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私の周りでも、またまたコロナ感染者が増えているようです。先日の10名ほ
どのリモート会議でも、お二人の感染が報告されてました。お一人は感染し
つつもリモート会議には出席されてましたが・・・
これが新しい日常なのでしょうか。

では、次回のメルマガもお楽しみに。
本メルマガは、GoogleGroupで発行しております。GoogleGroupは本来
メーリングリスト機能のサービスですが、読者の投稿はできません。
メンバも当然非公開としています。ご安心ください。

発行者:特定非営利活動法人 NPOあつぎみらい21
編集長:東 新(NPOあつぎみらい21事務局長)
Website: http://www.atsugimirai21.org/ 
E-mail: mailmag@atsugimirai21.org

編集担当:橋向 博昭
E-mail: hiro@at-bridge.com
Website: http://at-bridge.com

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