NPOあつぎみらい21の「かながわ Business Network」 2022年11月号 Vol.143

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  NPOあつぎみらい21の「かながわBusiness Network」 
                2022年11月号 Vol.143
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こんにちは、NPOあつぎみらい21「かながわ Business Network」
編集部です。 
毎月1回、メールマガジンを通じて皆さまの経営に役立つ情報をお届けして参
りますので、どうぞ宜しくお付き合いください。

早いもので、今年もあと残すところ1ヶ月となりました。歳をとると、時間が経
つのが早くなります(実感!)。忘年会の季節がやってまいりますが、ここ2年
ほどエンジョイできない状況が続いています。今年こそと思っていたら、第8波
が・・・

それでは今号の内容です。
1.<経営講座> ■ 【建設会社を取り巻く法改正などのトピックス】
2.<活動報告・活動案内> ■ 【プロボノ事業(みらいコミュニティ)】
3.<活動告知> ■ 【12月度オンラインセミナーのご案内】
4.<経営情報> ■ 【各種セミナー情報】

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1.<経営講座> ■ 【建設会社を取り巻く法改正などのトピックス】
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▼建設会社の経営に影響を及ぼす法改正

建設業界は長時間労働が求められていたこともあり、2019年に労働基準法が改
正されたときにも適用が除外されていました。それも5年の経過措置を経て2024
年4月から適用されるようになります。その他にも、既に施行されたものから差
し迫っている法改正などについてトピックスとして紹介させて頂きます。


▼建設業の残業上限規制は2024年4月から施行(働き方改革関連法案)
2019年4月から労働時間の上限が規制(中小企業は1年間の猶予期間を経て2020
年4月から)されていました。建設業は長時間労働が当たり前となっていて、人
材も不足していることなどを理由に5年間の猶予が与えられていました。その猶
予期間も2024年3月で終わり、時間外労働の上限規制が適用されます。

・時間外労働や休日労働をされるには、36協定の締結と監督署への届け出が必要
・原則として月45時間、年360時間が条件となる

臨時的な特別の事情があっても以下の上限を超える時間外労働などはできません。
・時間外労働が年720時間以内
・時間外労働と休日労働の合計が付き100時間未満
・時間外労働と休日労働の「2か月平均」「3か月平均」「4か月平均」「5か月平
 均」「6か月平均」が全て1か月当たり80時間以内
・時間外労働が月45時間を超えることができるのは年6ヶ月が限度

また、労働者に年次有給休暇を年5日取得させることも使用者の義務となってい
て、罰則は取得させなかった労働者1人当たり30万円の罰金が課されます(2019
年4月1日施行)。

建設会社の労働時間や拘束時間が長くなる理由の一つは、工事現場までの移動が
あるためです。例えば、郊外の専門工事業者が都内の現場で施工する場合、朝一
番に事務所に集まり、自動車に同乗して工事現場に向かうといったことがよく行
われています。自動車に同乗してから工事現場に向かう移動時間を労働時間とみ
なされると、時間外労働時間が長くなり、前述の時間を超過する可能性が高まっ
てしまいます。タイムカードなど時間の打刻方法も近年のIT化・DX化で大きく変
わってきています。就業規則の見直しも含めて、事前の準備が必要となっていま
す。

▼免税事業者の一人親方に大きな影響を及ぼすインボイスは2023年10月に施行
建設業界では、消費税の免税事業者となっている一人親方が多いのも特徴の一つ
です。インボイス制度は免税事業者だけではなく、免税事業者に発注する建設会
社(課税事業者)にとっても大きな問題となっています。大まかなフローで説明
すると以下の通りです。

免税事業者は今まで通り免税のままでいる。
 ↓
免税事業者に課税事業者が工事を発注(工事代金を支払)すると課税事業者が免
税事業者の代わりに納税しなければならなくなる。
 ↓
課税事業者は納税額が増えてしまう※ため、免税事業者への工事の発注を控える
可能性が高まる。※免税事業者には税込みで支払+免税事業者分を納税
 ↓
免税事業者は工事を発注してもらうために、免税の条件は整えていても課税事業
者にならなければならなくなる可能性が高まる。

消費税の課税事業者は、適格請求書発行事業者として登録番号を取得する必要が
あります。そして、インボイス制度のスケジュールは以下の通りです。
適格請求書発行事業者に登録※(2023年3月31日)
※現時点で免税の事業者は、2023年4月1日以降に適格請求書発行事業者に登録す
ることは可能
 ↓
登録番号を付記した適格請求書を発行(登録以降、2023年10月1日までに)
 ↓
適格請求書等を保存(2023年10月1日)
 ↓
適格請求書発行事業者以外から行った課税仕入れにかかる消費税額を控除できな
くなる(2023年10月1日以降)

免税事業者やその免税事業者に工事を発注する課税事業者に大きな影響を及ぼす
インボイス制度ですが、経過措置も設けられています。
2023年10月より2026年9月までの決算期
・免税事業者からの仕入につき80%控除可能(上記の期間は20%の納税で済む)
 ↓
2026年10月より2029年9月までの決算期
・免税事業者からの仕入につき50%控除可能(上記の期間は50%の納税で済む)
 ↓
2029年10月以降の決算期
・免税事業者からの仕入も控除可能

課税事業者が納税する割合が徐々に増えていきます。現在は免税事業者の一人親
方なども受注機会を失わないために対応を迫られてくることでしょう。


▼アルコール検知器を用いた酒気帯びの有無の確認が2022年10月から義務化
建設会社、特に職人達を多く抱えている専門工事業者は自動車で移動することが
多いです。そのような建設会社に大きな影響を及ぼすことになったのが、安全運
転管理者業務の拡充であり、アルコール検知器を用いた酒気帯びの有無の確認で
す。安全運転管理者制度とは、道路交通法に基づき事業所等における交通事故を
防止するための制度です。この制度が影響するのは建設会社に限ることでは有り
ませんが、最も影響が大きな業種ではないかと思います。

どのような会社が対処となるかというと、以下の条件を満たす場合となります。
・乗車定員が11人以上の自動車(マイクロバス)を1台以上
・その他の自動車は5台以上(大型や普通自動二輪車は0.5台で計算)

改正点とその施行開始日はというと、以下の二つになります。
・酒気帯びの有無を確認して記録を保存する(2022年4月4日施行)
・アルコール検知器を使用して確認する(2022年10月1日施行)

安全運転管理者が講習を受けて資格を取得し、運転の出発前に日々確認をしなけ
ればなりません。そして、記録したものは1年間保存が必要です。アルコールチ
ェックの義務を怠った場合の直接的な罰則はありませんが、業務中に飲酒運転で
検挙された場合は徹底的に調査されることが想定されます。まだ、対応準備が整
っていない会社は、早急に対応することをお勧めします。

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Writer:加藤仁史(中小企業診断士/ITストラテジスト/1級建築施工管理技士)
建設会社の事業を伸ばすシステム経営を支援する。株式会社GCコンサルティング
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2.<活動報告・活動案内> ■ 【プロボノ事業(みらいコミュニティ)】

 『現代社会は人と人のつながりが希薄になっている!』
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当NPOは、活動目的である「活力あるまちづくり」の一環として、地域貢献活動
を行なっている個人や団体を支援するプロボノ(注1)活動を行なっています。
【注1:プロボノとは、ラテン語のPro Bono Publico(公共善のために)に
由来した言葉で、社会的・公共的な目的のために自らの職業を通じて培ったスキ
ルや知識を提供するボランティア活動です。最近では、人材育成の手段としてプ
ロボノを取り入れている企業が増えてきています。】
 新型コロナ感染症が発症してから、オンラインで「みらいコミュニティ」と称
してプロボノ活動を隔月開催して、現在は厚木市の障がい者就労継続支援B型事
業所 『厚木つばきの会・つばき作業所』 の自主事業の商品開発や販路開拓を地
域のプロボノワーカー(P・W)の皆さんと一緒に支援しています。

2022年10月のみらいコミュニティは、P・Wとして参加して頂いている毛利節
二さんに『つながり』をテーマに話をして頂きました。毛利さんは「あたまの散
歩」と「からだの散歩」をブログにしており、それぞれ「知識の組み合わせ遊
び」、「風土の探検」をテーマにHP “料識亭(ころんぶすのたま
ご)” (http://www.risetu.net/)に公開しています。この二つは、「思
い込みを捨てる」ことと「からだの維持」になるので、健康維持を兼ねて毎日更
新しています。
「知識の組み合わせ遊び」は、マイクロソフトの「Access」を利用して書籍の
中から気になる文章をデータ化(現在のデータ件数90,397件、本などの数は
1,248冊)しています。今回は、その自分流のデータベースから『つながり』に
関係する文章を検索して、いろいろな解釈や使われ方があり、思いがけない情報
に接することを紹介して頂きました。その内容をご紹介します。

1.	実際に会って「つながる」のが難しくなってきている:
・ 最近の「専門家指向」や「テスト中心の思考(答えは一つという教育)」で
  は、多様性を受け入れにくくなり、人々の「つながり」も同一指向の人達とし
  か接触しないという傾向が出てしまいます。
・ 「核家族化」「近所との接触が減少」「ネット上で文字によるコミュニケーシ
  ョンが増加」等で人と人とのつながりが希薄化してきたようです。
・ 現代社会では、成果主義で物質的成功を気にしすぎるあまり、たくさんの
  人々、企業、団体は、人間的要素を後まわしにしています。
・ 過去の日本は「つながり」を大切にする風土がありました。そのためか「いい
  かげん(良い加減)」や「曖昧」を許容し、多彩な人達との『つながり』を重
  視する風土もあり、自分の意見より周りの意見を大切にしてきました。
 「つながり」を考えてみると、以上の様なことが見えてきました。

2.	自分流「データベース」で『つながり』を検索してみる:
 最近はネット検索が普及していますが、有効な情報に絞り込むためにAIが活
用されています。その結果、情報の範囲が狭くなっています。これを自分流に行
なうと面白いことが起きます。例えば、「人とのつながり」を知りたいと思い、
「つなが」(「つながる」、「つながって」などが目的)で検索すると
・ 人とつながっていくためには、相手を分かろうとすることが大事
・ 「もっと人を喜ばせたい」と、やり甲斐や成長につながって行く
・ 心と体を軽くすることにつながる
・ 店のイメージアップにつながる人を意図的に座らせる
・ アルコールが体内に入ってくると、肥満の原因につながる
・ 物体のない世界につながることが出来る
・ 太陽系の起源の解明につながる手がかりを得る
・ 尊敬、信頼にもつながり、献身の意欲にもなってくる
などなど、思いがけない情報に接します。これが、自分の思い込みを崩すきっか
けになることがあります。

次に、人との「つながり」に関する検索の結果出てきた事例(著者の文章)を抜
き出してみると
・ 「おごる、おごられる」関係を他社との関係を深めるためと考えると、一概
  に“悪いこと”とは言えず、むしろ温かい「他者とのつながり」であると考える
  ことも出来るのだと、まさに目からウロコの思いでした。
・ 情報や経験を重ねると共に、これまで見えなかったものが見えてくる。人間、
  自然、世界、日常のあれこれが味わい深くなってくる。年月を重ねた人達との
  つながりは、かけがえのないものになってくる。・・・とまあ、年を重ねて「得る
  もの」は限りなくある
・ やはり、チームのつながりがもっとも大事。時間管理でいちばん大事なのは、
  人との連携。実は、「自分の仕事さえちゃんとやればいい」という個人主義
  は、かえって非効率なのです
・ 人間関係で、いちばん強いつながりは、自分のことを「認めてくれる」関係だ
  と言います。ひとは自分のことにいちばん興味があり、自分のことが

  いちばん好き。そんな大切な自分に興味を示し、認めてくれる存在は、かけが
  えのない存在です。

 このように、知識を組み合わせることで、多様な知識を持ち、思い込みをなく
すことができて、しかも相手の立場で考える力をつけることが出来るのではない
でしょうか。

3.	思い込みが少なくなると、人は大きくなる:
「知識の組み合わせあそび」は、23の分野に分けて掲載されています。今回のテ
ーマである「つながり」を始め、「ビジネス」「安全」「科学」・・・・・「政
治」、「組織」「文化」まで、いろいろな方々の“知識”を組み合わせて新たな発
見をしています。「思い込み」は、多くの害を発生します。出来上がった組み合
わせを見て、「うむ?」、「感心!」、「違っているだろう!」等々、何か
の“きっかけが見つかれば”いいですね。思い込みを少なくして、多様な知識を持
ち、相手の立場で考える力のある人が多くなると、社会はもっともっと良くなり
ます。

皆様も一度毛利さんのHP “料識亭(ころんぶすのたまご)” (http://
www.risetu.net/)を訪れて新しい発見をして下さい。

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 Writer:みらいプロジェクトPM(東 新/中小企業診断士)
     「仲間と育てる地域のみらい」 
 Website: http://atsugimirai21.org/miraipj/
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3.<イベント告知> ■ 【12月度オンラインセミナーのご案内】
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12月度のオンラインセミナーを以下の通り開催いたします。皆様の参加をお待ち
しています。今回はシンポジウム形式で行います。

日時 12月25日(日) 10時から1時間半程度
主催 あつぎみらい21
会場 Zoomによるオンライン
参加費 無料
シンポジウム 事業再構築補助金を考える

<前半>
3名の登壇者に一人15~20分の話題提供をしていただきます。
話題と登壇者(登壇者略歴は省略します。あつぎみらい21ホームページの会員紹
介を参照してください。)
事業再構築補助金支援事例1 溝呂木 聰 先生
事業再構築補助金支援事例2 安藤 一彦 先生
セミナー参加報告「事業再構築補助金に代わる目玉施策~令和5年度おススメ補
助金最新情報&対策(日本の人事部)」鈴木 健一

<後半>
セミナー参加者を含めてディスカッションを行います。

◎申し込み方法:下記アドレス宛メールでお申し込みください。数日前までに
URLをお知らせします。
suzuki27320@tbb.t-com.ne.jp

なお、この案内は直接のお知り合いに限り紹介可能としますので機会がありまし
たらお願いします。お知り合いの方から再度の紹介や一般公開されているメディ
アへの掲載はご遠慮ください。

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 Writer:鈴木 健一/中小企業診断士)
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4.<経営情報> ■ 【各種セミナー情報】
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▼ その他のセミナー・講演情報

厚木商工会議所 セミナー/イベントのお知らせ
 http://www.atsugicci.or.jp/category/seminar/

相模原市産業振興財団 セミナー/イベントのお知らせ
 http://www.ssz.or.jp/event

川崎市産業振興財団 セミナー/イベントのお知らせ
 http://www.kawasaki-net.ne.jp/seminar.html

横浜商工会議所 セミナー・講習会のご案内 
 http://www.yokohama-cci.or.jp/event/

川崎商工会議所 セミナー・講演会スケジュール
 http://www.kawasaki-cci.or.jp/event/index.html

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■ 編集後記
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編集後記に何を書こうかと悩んでおりましたら、一昨日W杯予選リーグで日本
代表が競合ドイツを破るという快挙を成し遂げました。これを取り上げない手
はないかと。なぜか前半での圧倒的な劣勢が、後半ガラッと変わったのには驚
くやら喜ぶやら。素人の私にはよくわかりませんが、商売でもこんな変革が起
こせる裏技がないでしょうかね

では、次回のメルマガもお楽しみに。
本メルマガは、GoogleGroupで発行しております。GoogleGroupは本来
メーリングリスト機能のサービスですが、読者の投稿はできません。
メンバも当然非公開としています。ご安心ください。

発行者:特定非営利活動法人 NPOあつぎみらい21
編集長:東 新(NPOあつぎみらい21事務局長)
Website: http://www.atsugimirai21.org/ 
E-mail: mailmag@atsugimirai21.org

編集担当:橋向 博昭
E-mail: hiro@at-bridge.com
Website: http://at-bridge.com

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