NPOあつぎみらい21の「かながわ Business Network」 2026年2月号 Vol.18
NPOあつぎみらい21の「かながわBusiness Network」
2026年2月号 Vol.182
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こんにちは、NPOあつぎみらい21「かながわ Business Network」
編集部です。
冬季オリンピック、ご覧になりましたか。様々な熱戦とアスリートたちの
ドラマで、楽しませてもらいました。腰パンを履いた背中出しの若いスノ
ボー選手が、インタビューではしごく真摯なコメントをする違和感が心地
良かったです。
さて、今月の内容です。
1.<経営講座> ■【フィジカルロボット時代に向けた中小製造業の経営戦略】
2.<活動報告> ■【愛川町・清川村創業支援セミナー】
3.<経営情報> ■【各種セミナー情報】
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1.<経営講座> ■【フィジカルロボット時代に向けた中小製造業の経営戦略】
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1.高まる期待と、現場のリアル
生成AIの進展とともに、次は「フィジカルロボットの時代」と言われてい
ます。
人の動きを学習し、柔軟に作業するロボットが製造現場に広がる――そんな
未来像が語られています。
しかし、多くの中小製造業の現場ではどうでしょうか。
・ 多品種少量生産
・ 頻繁な段取り替え
・ 熟練者の勘や微調整に支えられた工程
これらは単純な自動化とは本質的に異なります。
技術の進歩と、実際に現場で使いこなせるかどうかは別問題です。
一方で、労働力不足は確実に進行しています。
「自動化をやるかどうか」ではなく、「どう進めるか」が経営課題です。
2.2030年は一つの目安
フィジカルロボットが製造現場で本格的に広がるタイミングとして、2030
年前後は一つの節目になる可能性があります。
理由は主に三つです。
・ 不確実な環境での判断や力加減などは、まだ発展途上
・ センサーや制御系のコスト低下には時間が必要
・ 既存設備との接続や標準化が十分でない
市場は拡大すると予測されています。しかしそれは「徐々に普及する」とい
う意味であり、「人を全面的に置き換える」という話ではありません。
つまり今は、
“待つ”か“全投入する”かの二択ではない ということです。
3.現実的な第一歩はどこか
投資判断をするうえで、価格感は極めて重要です。
搬送自動化(AGV/AMR)
・ 1台あたり約50万〜300万円
・ 比較的導入しやすい
・ 投資回収2〜3年の事例も多い
たとえば、Amazonの物流拠点で見られるようなロボット搬送モデルは広く知
られています。
近年は中国メーカーの参入もあり、価格は下がる傾向にあります。
協働ロボット
・ 300万〜900万円程度
産業用ロボット(システム統合含む)
・ 1,800万〜6,000万円規模になることも
ここで重要なのは、単純な人件費比較ではありません。
・ 不良率低減
・ 品質の安定
・ データ取得による改善スピード向上
・ 属人化リスクの低減
こうした「経営効果」まで含めて判断する必要があります。
当面の現実解は、
全面代替ではなく、“流れ”を整える自動化 です。
4.「人を置き換える」より「ラインを変える」
ロボットを「人の代わり」として考えると、
「この作業は無理だ」という話になりがちです。
しかし本当に重要なのは、
ロボットが働きやすい工場に変えていくことです。
具体的には、
・ 設備をロボット操作前提に改造する
・ 工程を単純化・標準化する
・ 治具やインターフェースを見直す
既存設備をそのままにして人だけを置き換えるのは、実は最も難しいアプロ
ーチです。
2030年頃に技術が成熟したとき、
・ 既に標準化・単純化が進んでいる会社
・ 何も変えていない会社
この差は、想像以上に大きくなります。
5.いま経営者がやるべきこと
今すぐ高額ロボットを導入することが正解とは限りません。
しかし、何も準備しないことは大きなリスクです。
段階的に考えると、
短期(今〜3年)
・ 搬送や定型工程の自動化
・ 作業の見える化
・ データ取得体制の整備
中期(〜2030年)
・ ラインの標準化
・ 設備更新時にロボット前提設計を採用
長期
・ 高度なフィジカルロボットの活用
・ 人は監督・改善・設計へシフト
6.未来は「準備した企業」から現実になる
フィジカルロボットは、確かに大きな可能性を持つ技術です。
しかし成果を左右するのは、技術そのものではありません。
・ 属人化をどこまで減らせているか
・ 工程はどれだけ標準化されているか
・ データを活用できる体制があるか
・ 設備更新を戦略的に進めているか
これらの積み重ねが、将来のロボット活用力を決定づけます。
ロボット時代は「突然やって来る未来」ではなく、
準備を進めた企業から現実になる未来です。
だからこそ重要なのは、
・ 「導入するかどうか」ではなく、
・ 「どの順番で、どの範囲から、どう進めるか」
という経営判断です。
自動化は単なる設備投資ではありません。
事業の持続性を高めるための経営戦略そのものです。
その設計と実行には、現場理解と経営視点の両方が求められます。
私たち中小企業診断士は、
・ 投資対効果の整理
・ 段階的な自動化ロードマップの策定
・ 補助金活用支援
・ 金融機関との調整
・ 現場改善と標準化の伴走支援
を通じて、貴社の自動化戦略を現実的かつ持続可能な形で支援します。
ロボット時代を「脅威」にするか「競争優位」にするかは、
今の準備次第です。
未来への一歩を、共に設計していきましょう。
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Writer:寺井 康浩(中小企業診断士)
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2.<活動報告> ■【愛川町・清川村創業支援セミナー】
AIを味方に!不確実な時代の起業術を伝授
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去る2月10日(火)、愛甲商工会館にて「令和7年度愛川町・清川村創業
支援セミナー」を開催いたしました。今回のテーマは、現代の起業にお
いて避けては通れない「創業」×「生成AI」です。
■セミナーの概要
本セミナーでは、当NPO所属の中小企業診断士・溝呂木聰が講師を務め、
『AI時代の創業戦略:比較優位と実践スキルで不安を武器に変える起業術』
と題した講演を行いました。
主なプログラム内容は以下の通りです。
・AI時代の創業環境:ChatGPTやGeminiの進化による準備プロセスの変化
・自身の比較優位の把握:SWOT分析をベースに、市場で勝ち抜くための
「強み」を言語化
・生成AIの実践活用:調査や企画、ブラッシュアップに使える具体的なプロ
ンプト(指示文)の紹介
・事業計画立案ワーク:AIを活用し、提供価値や顧客ターゲットの骨格を短
時間で作成
■現場の様子と参加者の声
当日は9名の意欲的な参加者が集まり、非常に熱気のある場となりました。
特に質疑応答の時間には、「AIの学習元データはどうなっているのか?」や
「具体的な業務への活用方法は?」といった、技術的背景から実務への応用
まで、鋭く積極的な質問が多く寄せられたのが印象的でした。
また、参加者の中には「数日前に創業を思い立ったばかり」という方もいら
っしゃいました。「これからAIをパートナーとして活用し、自分の強みを
活かせる市場ニーズを調査していきたい」と、一歩踏み出す決意を語ってく
ださいました。
■講師からのメッセージ:最後は創業者の「想い」が鍵
講師は、まとめとして「AIを活用するとしても、やはり創業は『想い』が重
要である」と強調しました。生成AIは視野を広げ、効率を高める「頼れるパ
ートナー」になりますが、最終的な「想い」や「決断」を加え、計画に「意
志」を吹き込むのは創業者自身です。なぜこの事業をやりたいのかという
「原体験」こそが、AIには代替できない最大の差別化要因になります。
最新テクノロジーを賢く使いこなしつつ、自らの志を形にしていく。そんな
創業の第一歩を後押しするセミナーとなりました。当会では今後も、地域の
起業家の皆様を支援してまいります。
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Writer:溝呂木 聰(中小企業診断士)
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3.<経営情報> ■【各種セミナー情報】
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▼ その他のセミナー・講演情報
厚木商工会議所 セミナー/イベントのお知らせ
http://www.atsugicci.or.jp/category/seminar/
相模原市産業振興財団 セミナー/イベントのお知らせ
http://www.ssz.or.jp/event
川崎市産業振興財団 セミナー/イベントのお知らせ
http://www.kawasaki-net.ne.jp/seminar.html
横浜商工会議所 セミナー・講習会のご案内
http://www.yokohama-cci.or.jp/event/
川崎商工会議所 セミナー・講演会スケジュール
http://www.kawasaki-cci.or.jp/event/index.html
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■ 編集後記
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何と高市自民党の圧勝で終わった総選挙、色々言いたいことがありますが、
まずは消費税をどうするのか注目する必要がありますね。消費税減税は弱者
救済効果と富めるものへの恩恵効果の両面があります。食料品の消費税廃止
では食品小売業や飲食業の中小企業への影響が心配です。
高市さん、ちゃんと・ちゃんと・ちゃんと・ちゃんと考えてくださいね。
では、次回のメルマガもお楽しみに。
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メンバも当然非公開としています。ご安心ください。
発行者:特定非営利活動法人 NPOあつぎみらい21
編集長:脇本 清明(NPOあつぎみらい21事務局長)
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編集担当:橋向 博昭
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