┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓   NPOあつぎみらいの「メルマガ起業セミナー」                        4月25日号 Vol.25 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ こんにちは、NPOあつぎみらい21 「メルマガ起業セミナー」編集部の相原です。 いよいよ、新年度がスタートしました。東日本大震災、原発事故の収拾と課題を多 く抱えた、厳しいことになるものと思いますが、起業に向けて、自分自身を見失わ ないように、信念を持ってことに向かっていってください。 それでは、今回お届けするメールマガジンのコンテンツはコチラ! 1.<事業計画>■会社の設立に伴う事業計画策定にあたっての基本となる考え方 2.<設備投資>■設備投資にあたっての有効性判断の分析手法 3.<講習情報>■今月のセミナー情報 _____________________________________ 1.<事業計画>■会社の設立に伴う事業計画策定にあたっての基本となる考え方 _____________________________________  事業計画を作るには、起業にあたって、5年後にあるべき姿として、何を描いて いるのか、それを念頭に置いていきます。5年目にあるべき姿に持っていくために、 1年目から5年目までに何をするかということです。通常、5年で見ます。 こうしたことが、一つ一つできることが、5年目の計画達成につながるとお考え ください。そのため、まず各年でなにをするかを書き出してください。以上により、 事業計画の骨子を描きます。事業計画は設備投資がほとんどいらない場合を除いて、 金融機関から融資を受けるためには、必要となります。融資をする方(金融機関側 )から、その計画が確実に達成されると判断できる根拠が、十分備わっており、実 現可能性が高く信頼できる十分に達成可能性があるという計画と理解してもらわな いと希望通りの融資を受けることは難しいです。そのうえで、6か月後の実績が、 計画通りに推移しているかとの検証がされる場合が一般的とご理解ください。その 結果、達成ができていないと、計画の作成し直しが求められることもあるとご理解 ください。   以下に、順を追ってその作成方法について、説明していきます。  最初に、損益計画(損益計算書)、次に貸借対照表、資金繰り計画に進んでいき ます。これらをつくるには、月々の計画が前提にあります。ここでは、損益計画を 中心に述べます。 1.業種は、何にするか?  業種はすでに決めていられると思いますが、現在のマーケットでは、飽和状態の ため、多かれ少なから、同業他社が既存しているものとの考え方に立って、差別感 を訴えていくことが必要でしょう。もっとも、同業他社の存在しない、ニッチビジ ネスを、見つけられてれば話は別ですが? 2.次に客層はと、どの年代のどういう人を対象とするのかということになります。  こうしたことにより、いくらぐらいの価格帯を客単価として位置づけるか決定す ることになり、おのずと品揃えも決まってくることになります。男性と女性は基本 して、有職者と学生または主婦、高齢者と若者といった等ということになります。 3.そのうえで、期待する、また、達成可能な来店客数を同業他社に見る状況を参 照して、見積もることになります。ここでは、楽観的な見方は、厳にしないことが 求められます。あくまでも、悲観的な見方をいれながら、計画を立てていくことが 肝要です。達成できる計画であることが重要です。 4.以上により、計画とすべき売り上げが決まることになります。  この3,4の作業を5年間にわたり、以下のことを頭に入れながら繰り返すこと になります。  この売上を見積もる前に、初めに述べさせていただいたように、2年目、3年目、 4年目、5年目に何をするかということになります。そのことを明らかにして、そ のうえで、ターゲットとする客層を、その結果から、期待する客単価を置きながら、 売上を見ていきます。ここでは、また事業種類の検討も有効ですが、あくまでも、 営業主体を安易に変えることは避けるべきです。現行ビジネスの展開の状況を見て、 悲観的に売り上げを見ることに勝ることはないと考えて売り上げを見ていくことが 求められます。 現在のような、同業他社が乱立し、先行きの見えない状況下にあっては、安易な 拡大は避けるべきです。慎重な展開が有効です。常に5年後にこうしたいといある べき姿の実現という戦略のもと、各年度においてなにをすべきかという戦術を念頭 に置いていけるようにしてください。 5.そのうえで、次の売上総利益(粗利益)の位置づけになります。同業他社の儲け はどうなっているのか?ということになります。  仕入れ値がこの結果、決まることになります。ここでは、その事業の中で、自社 の担当が、加工する必要があるときは、その人件費などのその作業過程のおいて発 生する経費も、原価としてみた後の売上総利益を、もって会社の売上総利益という ことになります。そして、会社としての、指針となる売上総利益率を求め00ます。 6.次に、人員が何人いるのか?販売促進はどう展開していくのか?設備投資の必要 性は?現在の場所での展開でいいのか?等となります。また、利益を稼ぐアイテム、 売り上げを稼ぐアイテム、そのうえで、全体はどう目標するのか等となります。 7.そして、月々の利益目標、年々の利益目標と積み上げていくことになります。あ くまでも、月があって年です。順序を間違えないでください。積み上げ式であり落と し込んでいくことにはなりません。ですから、実際に起業しても、月々の状況をしっ かり把握することが求められます。税理士の先生に任せていると、よく聞きますが、 事業主の方は、常に実績把握ができるようにしてください。計画達成のためには、そ うした努力が、必要です。例えば、現金として決算書に、計上されている額が手元の 金額と合致しているかとか、売掛金として計上されている金額が請求書発行分と一致 しているかということなどです。 以上が、損益計画となります。 8.次は、貸借対照表計画ということになります。  ここでは、月々の売上から、各月の月末の財産項目(売掛金、買掛金、原材料、仕 掛品、製品、商品、設備(減価償却後)、資本金などを求め、最後に差額として現金 預金が求められます。売掛金は、掛け商売の場合、今月回収できずに残るのは、同じ ように、買掛金は、今月仕入する金額はいくらであり、支払いが来月以降なのは、そ れぞれいくらかということになります。なお、原材料、製品は、製造業上の販売目的 の品物の項目であり、商品がその他の事業における販売目的の品物となります。これ らは、棚卸し資産ということになります。そして、設備です。設備は毎月計上する減 価償却費を控除したのちの金額になります。減価償却は決算処理手続きと判断せず、 減価償却費も月々において計上していけるようにしましょう。現金預金は差額で求め ます。ちなみに、仕掛品は月々において、加工途中のものであります。計画でどう計 上かは、難しいといえます。製品化するまで計上しないという考え方もあります。  ここから、分かるように貸借対照表は、一定の日における残高であり、結果にすぎ ないことがわかります。 9.次は、資金繰り計画の作成になります。のある部分  ここでは、実際に現金預金の収支の発生ベースで作成します。原材料の購入時期、 設備投資の時期、これについては、起業にあたって必要となるものを、見込んで、見 積書を出してもらい、支払い条件などを確認し現金及び預金での支払及び自動振替払 いの場合、支払いの発生する月、手形による支払いの場合、分割決済の場合、決済日 の到達するごとにその決済日の含まれる月にその決済額(決済日未到来部分は、支払 手形として計上されることになります)を支払額に計上しうけとりえがます。また、 売掛金は回収する月、買掛金は支払の発生する月に計上し、手形回収があるときは現 金化する月に計上します。  したがって、回収条件、支払い条件が確定していないと資金繰り計画は出来ないこ とになります。 10.そして、この計画の裏付け書類を作成します。マーケットの状況、期待するシ ェア、同業他社の状況、同業他社における問題点、それに対する対応等を掲げていく ことになります。  以上、大変簡単ですが、事業計画の数表の部分につきその作成方法を掲げてきまし た。今後において作成される場合の、参考にしていただければと思います。 なお、行政機関からの制度融資を利用しようとする場合には、また、金融機関によっ ても、提出を求められる書類が変わってきますので、それに従っていただくことにな ります。ここでは、一般的なケースでという前提で、述べてきました。 _____________________________________- ★Writer:相原 洋一 (中小企業診断士)   相原総合経営研究所代表 「中小企業の活性化」に資することを使命として、長年にわたる財務での経験・知 識をもとに、財務内容の改善、健全化、資金繰りの内容の改善に向けて、様々な悩 みに応援します。幅広い業種の経営診断経験をもとに、あなたの会社に合致した最 適な、改善提案をします。E−mail : yaihara-s2341@mh.scn-net.ne.jp ______________________________________  2.<設備投資> ■設備投資にあたっての有効性判断の分析手法 ______________________________________  固定資産の投資の場合の考え方は、まず、その大きさは、固定的資金である長期の 借入金及び自己資本の範囲内で行うことが求められます。そのうえで、その設備投資 を行うことにより、導入した場合の削減できる経費、生産効率の向上による製品の増 加生産量、機械設備の導入による製品生産の残業時間の短縮、撤廃、人員の削減など、 設備投資をするメリットを収益として売上とします。また、新たな経費の計上など、 デメリットがある場合には、それは経費に計上します。こうしたことにより、利益( 投資による利益向上額)を求め、投資の有効性の判断基準とします。減価償却費の計 上、リース契約の場合はリース料の経費への計上をして、投資効果を計算します。ま た、計算にあたっては、将来の期待利益を現在価値に引き直して、投資の可否を決め ることになります。投資の可否の判断にはこの方法が一般的であり、引き直した金額 と設備投資額の差が、正味現在価値であり、NPV(Net Present Va lue)と呼ばれます。この現在価値に引き直す時の割引率の大きさが安全性の尺度 となります。  この考え方は、設備導入して何らかのメリットがある場合に適用させるものですが、 旧設備から買い替える場合でも、現行設備では作業能率が低いため、作業効率の良い 新規設備を導入しようとするのですから、先ほど掲げた売上計上分、また、導入によ り作業効率が向上し、たとえば残業時間が少なくなるとか、人員の削減ができるとか より多くの受注をこなせられるようになったとか、そうしたメリットがなければ、旧 設備と同じ作業効率の機械設備での買い替えでも、メリットは、価格の差、減価償却 費の大きさの差などに、買い替えによる意味があることになります。      正味現在価値を求める計算は下記のようになります。(-設備投資額+現在価値額)                                  (n=年数)            1年目利益   2年目利益     n年目利益 NPV=―設備投資額+―――――― + ―――――― +…+ ―――――― (正味現在価値)   (1+割引率) (1+割引率)2    (1+割引率)n  この総和であるNPVがプラスの時には、投資は有効との判断ができ、割引率が高 いほど、安全性が高いことになります。通常nは、5年で見ます、ただ、ライフサイ クル(嗜好性の高い部類の品物で、導入してから、生産終了までの期間(ライフサイ クル)の短いものの場合で3年で見ることもある)。また、リースか購入かとその取 得方法について考察するとき、リース取引における解約が違約金の支払いなしにでき ないファイナンスリースと途中解約の可能なオペレーティングリースと一時的な資金 負担がさけられるなど違いを、理解していくことが必要である。  また、メリットとして、費用の平準化、早期の費用化の可能なこと、事務の省力化、 銀行の融資枠の温存が可能などがあることを理解していくことが望まれます。 _____________________________________- ★Writer:相原 洋一 (中小企業診断士)   相原総合経営研究所代表 「中小企業の活性化」に資することを自らの使命として、長年にわたる財務での経 験・知識をもとに、、財務内容の改善、健全化、資金繰り の内容の改善に向けて、 様々な悩みに応援します。幅広い業種の経営診断経験をもとに、あなたの会社に合 致した最適な、改善提案をします。E−mail:yaihara-s2341@mh.scn-net.ne.jp _____________________________________   3.<講習情報> ■今月のセミナー情報 _____________________________________ ▼ 経理実務基礎講座      〜知っておきたい経理の基礎知識と実務        横浜商工会議所      開催日時: 5月22日 火) 10時-17時       http://www/yokohama-cci/or.jp./7/7-2-1-1.asp?ID=943 ▼ 「創業・起業ビジネス相談会」        (財)相模原市産業振興財団      開催日 : 5月9日 (水)、16日(水)、26日(土)、30日(水)     ttp://www.ssz.or.jp/image02/top_images/what_new/201110busines.pdf ▼ テクノトランスファーinかわさき2012出展者募集    開催日 :7月11日(水)〜13日(金)(公財)神奈川産業振興センター      http://tech-kawasaki.jp/ttk2012 ▼ 創業支援セミナー                    横浜商工会議所    開催日:10月11日(土)18日(土)25日(土)11月1日(土)      http://yokohama-cci.or.jp/sougyo/sougyouseminar_0810.pdf ______________________________________  ■ 編集後記  NPOあつぎみらい21が贈る「メルマガ起業セミナー」はいかがでしたか?今後 もみなさんの起業を成功に結びついて行っていただけるように、情報提供を行ってい きますので次回も楽しみにしておいてください!    一口に起業といっても、選ぶ業種を何にするかについては、既にしっかりとしたお 考えを持っている人は別として成功するには、如何に狙うターゲットの人がどういう ニーズを持っているか、現状のお店では満足できないお客様には、そう いう点をカ バーする、他社との差別感を打ち出していくことが求められます。  現在のマーケットにおいて、まったく新しい業種を探すことは至難なことです。ニ ーズを的確にとらえた、差別感を打ち出した提案をしていけるようにして行きましょ う。そうしたことが、成功への鍵となります。   次回は、5月25日ごろの配信予定です。お楽しみに!  当メールマガジンは、読者参加型の起業支援メールマガジンとして、次のコンテン ツを展開していきます。一緒にこのメールマガジンを盛り上げていきませんか? 1.メールマガ起業相談  メールマガジンの読者から、起業に関する質問をお受けいたします。経験豊富なN POあつぎみらい21のメンバ−があなたのお悩みを解決します。     2.起業体験記  ビジネスは「現場・現物・現実」が何よりの教科書です。あなたの起業に関する体 験を、読者の皆さんと分かち合いませんか?開業の有無は問いません。企業の中で発 生する様々な「成功体験」「失敗体験」を共有することにより、読者の皆さんの起業 がより現実に近づいて行くはずです。  メールマガの記事として採用させていただいた方には、NPOあつぎみらい21よ り、1回2時間の個別指導を無料で提供いたします、奮ってご投稿してください。    投稿フォームはNPOあつぎみらい21のホームページからダウンロードしてくだ さい。   http:///www.atsugimirai21.org/maimag.htm ______________________________________ 発行者 :特定非営利活動法人  NPOあつぎみらい21 編集人 :相原洋一 (中小企業診断士) Website: :http://www.atsugimirai.org/. 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