┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓   NPOあつぎみらい21の「かながわ Business Network」                        5月10日号 Vol.5 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ こんにちは、NPOあつぎみらい21 「かながわ Business Network」編集部の伊豫田(いよだ)です。  かながわ Business Networkは、毎月1回メールマガジンを通じて皆さまの経営 に役立つ情報をお届けします。  今号のコンテンツはこちら! 1.<経営講座> ■ものづくりイノベーションの必要性(下) 2.<公的支援> ■公的支援を使おう!(東日本大震災の公的支援策) 3.<新着情報> ■かながわ Business Headline 4.<震災情報> ■震災対策リンク集 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 1.<経営講座> ■ものづくりイノベーションの必要性(下) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼上編は4月10日号に掲載 http://www.atsugimirai21.org/mailmag=archive.htm  中小ものづくり企業は、新たな技術への取り組み(イノベーション)を行い、大 手企業のマザー工場への技術提案力を身につけ、基盤技術が空洞化したマザー工場 から仕事を受ける事が大きなビジネスチャンスになっています。  行政も大手企業の国際競争力を高めるため、中小企業の高度なものづくり基盤技 術への取り組み(イノベーション)を政策誘導しており、昨年募集された「ものづ くり開発助成金」などがその典型です。平成22年度は高度ものづくり法、(通称 サポイン)の予算規模が従来の3倍、150億円に増額されております。平成23 年も4月からの募集が開始される予定です。  高度化目標が設定され、ラフな実施計画が出来た企業の方々は、まず高度ものづ くり法の認定に向けて挑戦されることをお薦めいたします。商工会議所等の相談窓 口等を活用していきましょう。  技術提案力やプレゼンテーション能力を身につけるために、他の助成金申請の挑 戦もお薦めします。  高度な技術力が中国など新興国の企業との参入障壁を築き、航空機、医療器械、 環境・エネルギー機械などの分野に於いて、世界での存在感が増し、ひいては高い 人件費でも多くの人を雇用できる日本のものづくりにしたいと考えます。  そうでないと新興国並みに給与が下げられない限り、日本のものづくり企業は生 き残っていくことはできません。  中小企業は大手企業に比べ柔軟な経営体制であるため、若い技術者、管理者の即 時登用や、オープンイノベーションとして外部からの技術の導入などやる方法はた くさんあります。この具体的な方法について微力ながらNPOあつぎみらい21と して支援させていただければと思います。  ものづくりイノベーションにより、世界で活躍できる日本のものづくり、次なる メイド・イン・ジャパンを皆さんと一緒に作っていきたいと考えております。 ┌───────────────────────────────────┐  ★Writer:小泉 誠二 NPOあつぎみらい21理事長  (中小企業診断士、ITコーディネータ、技術士(電気電子部門))  現在、神奈川県の中小企業・ベンチャー支援に従事。また、神奈川産業振興セ  ンターにてコーディネータとして事業化推進プロジェクトに参加。得意分野は  新規事業開発及情報通信技術であり、ものづくり企業を主に支援しています。 └───────────────────────────────────┘ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2.<公的支援> ■公的支援を使おう!(東日本大震災の公的支援策) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼震災による業績悪化から雇用を守り、企業のレベルアップを目指す!  震災から2カ月がたちました。下火になったとはいえ余震が絶えない日々が続い ています。また、電力の見通しも不透明なまま夏が近づきつつありますが、老舗旅 館の倒産など、震災に関連する倒産や解雇の報道が増えています。  一部の業界を除き深刻な消費の冷え込みが現実化する様相を見せる中、どの様な 対策を考えるべきでしょうか?  このような状況では、不要不急の商品やサービスを扱う事業者の業績悪化は避け る事が難しく、守りを固める事に専念する企業が大半です。しかしこの考え方では リーマンショックと同じようにすそ野産業へと経済の収縮が広がり、やがては全体 を巻き込んだ大型不況が訪れる事を避けることができません。  このため、企業においては事業収縮に備え守りを固めるだけではなく、不況後を 想定した新たなビジネスモデルの模索に注力しなければなりません。  そこで「攻め」の経営に有効な施策として、「雇用調整助成金」を紹介します。 ▼雇用調整助成金の概要  東日本大震災に伴う「経済上の理由」で休業など事業活動の縮小を余儀なくされ た事業主が、一時的に休業等を行った場合、労働者に休業手当を支払うときには、 雇用調整助成金として休業手当相当額の一部を会社が受け取る事が出来ます。 震災に伴う経済上の理由として、   1.取引先の被災などで原材料の入手や製品の搬出ができない場合、   2.計画停電の実施を受けて、事業活動が縮小した場合   3.風評被害により観光客が減少したり、農産物の売り上げが減少した場合                         などのケースが相当します。  受給については、細かい要件が有りますが、3年間で300日までの休業手当に ついて日額の8割が助成されます。(中小企業の場合:上限金額あり)  また、上記の金額に事業所内訓練の場合1人1日2,000円を、事業所外訓練 の場合1人1日4,000円を加算して支給されるので、休業を余儀なくされるピ ンチを、新たな事業活動や自社の事業品質向上の為のチャンスとする事も可能な支 援策なので、有効に活用する事をお勧めします。。 受給の要件として、   1.雇用保険の適用事業主であること   2.売上高又は生産量の最近3か月間の月平均値がその直前3か月又は前年同     期に比べ5%以上減少していること。(計画停電の場合は緩和措置有り)   3.ハローワークへ事前にその計画を届け出ること。                              などがあります。 ▼震災危機をチャンスに変える  業績の低迷で従業員が持て余すのを、そのまま見ている事はありません。不況な らではの機会として、有り余っている人的リソースを新たな商品やサービスを生み 出す投資・育成のチャンスとしてフル活用してはいかがでしょうか?  NPOあつぎみらい21では、雇用調整助成金の受給相談にとどまらず、従業員 の研修講師から新たな事業の策定支援まで、ピンチをチャンスに変える為の幅広い 経営サポートを行っています。  また、神奈川県の認定制度である「経営革新」は、1ランク上の助成制度を狙え るチャンスの入り口です。この機会にチャレンジすることをお勧めします。  雇用調整助成金で「給料の補填が出来た。」と一息つくだけでは勿体ないのです。 (参考リンク) 厚生労働省 「雇用調整を行わざるを得ない事業主の方へ」 http://www.mhlw.go.jp/general/seido/josei/kyufukin/a05-1.html 神奈川県 「経営革新計画の承認手続と支援措置のご案内」 http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/kogyo/kakusin/ ┌───────────────────────────────────┐  ★Writer:伊豫田 竜二(中小企業診断士、ファイナンシャルプランナー)  「がんばる中小企業の経営企画室」として、顧客の視点からニッチビジネスを  展開する「買い物行動分析によるマーケティング診断」と、FP視点の「資金  繰りで失敗しない事業戦略」を中心に、中小企業が成功するための「タネ」と  「シカケ」を作ります!  Website: http://iyoda.web.fc2.com/index.html └───────────────────────────────────┘ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 3.<新着情報> ■かながわ Business Headline ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  神奈川県を中心にビジネスイベントや公的支援などの経営に役立つ情報をお届け します。興味のある内容がありましたら、是非ご活用ください。また、NPOでは 皆さまの経営改善を応援します。公的支援の上手な使い方や申請資料の作成指導な ど、お気軽に相談ください。 ▼補助金等の公募 〜6/3 温室効果ガス排出削減量連動型中小企業グリーン投資促進事業 http://www.kanto.meti.go.jp/seisaku/ondanka/20110408green_investment.html 〜6/7 平成23年度イノベーション推進事業 http://www.nedo.go.jp/koubo/CA2_00760.html ▼施策・イベント情報 〜6/3 「かながわスタンダード」認定事業 http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/kogyo/standard/ ▼統計情報 鉱工業生産・出荷・在庫指数速報(平成23年3月分) http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/index.html 資源・エネルギー統計速報(平成23年3月分) http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/seidou/result/ichiran/07_shigen.html 機械統計速報(平成23年3月分) http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/seidou/result/ichiran/03_kikai.html 化学工業統計速報(平成23年3月分) http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/seidou/result/ichiran/02_kagaku.html 窯業・建材統計速報(平成23年3月分) http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/seidou/result/ichiran/04_yogyo.html 繊維・生活用品統計速報(平成23年3月分) http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/seidou/result/ichiran/05_seni.html 紙・印刷・プラスチック製品・ゴム製品統計速報 (平成23年3月分) http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/seidou/result/ichiran/06_kami.html 鉄鋼・非鉄金属製品・金属製品統計速報(平成23年3月分) http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/seidou/result/ichiran/01_tekko.html 石油統計速報(平成23年3月分) http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sekiyuso/result.html 2010年外資系企業動向調査(2009年度実績)の概況 http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/gaisikei/index.html ▼セミナー・講演情報 5/18 藤沢市産業振興財団 実践キャッシュフロー経営2日間講座 http://www.s-cns.com/member/study/ 5/19 神奈川県経営者福祉振興財団 行列のできるお店づくり http://www.navida.ne.jp/keiei/schedule/seminar/keiei110519.html 5/26 相模原市産業振興財団 絶対受注名刺の作り方 http://soho.ssz.or.jp/event2011/topics-salon1.html 6/1 KUポートスクエア 企業法務入門 http://www.ku-portsquare.jp/lec_economy/lecture/lec_ku_e03.html 6/25 さがみはら産業創造センター 2011 SIC経営塾 http://www.sic-sagamihara.jp/sic/support/keiei/index.htm ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 4.<震災情報> ■震災対策リンク集 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 経済産業省「東北地方太平洋沖地震 関連情報 中小企業者対策」 http://www.meti.go.jp/earthquake/smb/index.html 中小企業庁「東北地方太平洋沖地震関連情報」 http://www.chusho.meti.go.jp/earthquake2011/index.html 日本政策金融公庫「被災された皆さまへの支援態勢」 http://www.jfc.go.jp/c_news/news_bn/news230318.html 神奈川県「東北地方太平洋沖地震関連情報」 http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f100573/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 編集後記 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  NPOあつぎみらい21が贈る、「かながわ Business Network」はいかがでし たか? 今後もみなさんの経営に役立つ情報提供を行っていきます。                         次回も楽しみにして下さい!  今回の震災におけるアンケートがマスコミ各社から出てきています。多くの紙面 で、風評による2次被害と自粛ムードによる消費の冷え込みを懸念する声が聞かれ ます。  会社社長が100億円、プロゴルファーが年間賞金と義捐金のニュースが騒がれ る中、スポットで投入するキャッシュは当座の心配はなさそうですが、これからの 復興支援は「日本発の不景気を回避すること」のように思えます。  GDPで中国に抜かれ3位になるなど、日本の衰退があちらこちらで叫ばれてい ますが、昨今経済不安がささやかれている欧州諸国より、はるかに日本が世界経済 へ与えるインパクトは大きいのです。  中長期的に言えば少なからぬ影響を与えることは必至ですが、いかにダメージを 低く抑えるか、そのためにも「必要な消費」を高める必要があります。  これは不要・不急の無駄な消費を繰り返すのではなく、省エネのための技術開発 や、エコ替えなどで排出される廃棄物の再利用の促進など、ロスの少ない循環社会 を生み出すための投資を指します。  震災を不幸の代名詞にするのではなく、先進的循環社会を生み出す始発点とする 機会と捉えることで、困難を乗り越える術と、世界にイノベーションを発信する国 家像が見えてくるものと信じています。    NPOあつぎみらい21では、現在の経済情勢に合わせた戦略の見直しや、資金 繰りのなど、各分野のエキスパートが相談に応じています。お試しの機会として、 厚木商工会議所の「土曜経営相談サテライトステーション」の受託など、無料相談 の場を用意しておりますので、お気軽にご利用ください。 詳しくは、NPOあつぎみらい21ホームページ 「土曜経営相談サテライトステーション」をご覧ください。 http://www.atsugimirai21.org/consultation.htm −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 発行者:特定非営利活動法人 NPOあつぎみらい21 編集人:伊豫田 竜二(中小企業診断士、ファイナンシャルプランナー) Website: http://www.atsugimirai21.org/ E-mail: mailmag@atsugimirai21.org ▼メール登録内容の変更・配信停止はこちらから手続きください。 http://archive.mag2.com/0001237314/index.html Copyright(C) NPOあつぎみらい21 掲載記事の無断転載を禁じます